会社の解散と清算手続き
(はじめに)
コロナの影響で、会社の解散や清算を考えておられる方もいらっしゃるかも知れません。
ただ清算は破産や倒産と混同されやすいイメージがありますが、異なります。
清算はいわば前向きに会社を畳む行為であって、借金があって返済できなくなるというような破産等とは同じではありません。
今回は会社の解散と清算手続きについて書きたいと思います。
(解散とは)
まず、解散とは「会社の法人格を消滅させる原因となる法律事実」のことを言います。
法律的な用語になりますが、平たく言うと「会社を辞めます」と宣言することになると思います。
この解散の理由として、実務上は、「株主の意思による解散、合併による解散、破産手続きの開始決定による会社の解散」が多いようです。
ここでも、「破産手続きの開始決定による会社の解散」とありますが、
破産手続きの場合は事業の継続が困難である場合であって、弁護士さんへ依頼して始めるのが通常です。
(清算とは)
しかし、清算は事業を継続することは可能であるが、自主的に辞めるということになります。
ここが破産とは根本的に異なります。
そして、清算手続きとは、清算人が清算会社を代表して、会社の財務状況を調査し、現務を結了し、
債権の取立て及び債務の弁済、残余財産の分配を行うことです。
また、清算手続きは弁護士に依頼することも可能ですが、借入金などの債務がない場合や
株主関係も良好で会社を畳むことについてトラブルが発生するようなことがない場合は
取締役がそのまま清算人となって、手続きを行うことができます。
(留意点)
ただし、清算手続きは会社法という法律にしたがって、処理しなければなりませんし、
残余財産の分配や資産の処分をして売却益等が発生する場合には税金も発生する可能性がありますで、
全く何の知識もなく出来るということではありませんのでご留意ください。
特に、会社法の手続きと税務上の取り扱いは異なっており、会社法上は貸借対照表や財産目録で資産を明らかにして、
その処分の状況を定期的に株主総会に報告しますが、
税務では従来からの所得計算が清算中も継続して必要であり、貸借対照表、損益計算書などの決算書とともに、
法人税や消費税の申告書を作成する必要があります。
ですので、破産手続きは弁護士さんへ、清算手続きは頑張れば自分でも出来るという所でしょうか。。
ご興味を持っていただき、みなさまの一助になれば幸いです。
以上です。