税理士が考える「ふるさと納税」のおすすめの方法 (加筆2019年3月)
あらためて、ふるさと納税を考えてみたいと思います。
【はじめに】
昨今、「ふるさと納税」は広く認知されるようになり、既に利用されている方も多いかと思いますが、
他方で仕組みがよくわかないとか、確定申告などの手続きが面倒だとかいった理由で、
今まであまりふるさと納税に関心を持たなかった方もいらっしゃるでしょう。
ふるさと納税の制度を簡単に説明すると、自分の選んだ自治体に寄附を行った場合に、
寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から、原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります)。
名前は「ふるさと」納税となっていますが、出身自治体に関係なく、自由に寄附する自治体を選ぶことができ、主に、その地域の特産品等を寄附のお礼として受け取ることができるので人気を集めています。
お礼のあまりの充実振りに、2017年4月には総務省から返礼率を3割以下とするよう通知が出されるほどでした。
(その後、2019年6月からは返戻率は3割とすることが正式に決まりました)
納税や寄附という言葉が出て来ることもあり、特に確定申告が不要なサラリーマンの中には、今まで関心を持たなかった方や面倒そうなので利用したことがないという方も多いと思いますが、ぜひ以下のおすすめの手順を踏んで利用して頂きたいです。
【総務省のふるさと納税ポータルサイトによると・・・】
ふるさと納税の流れとして
①自治体を選ぶ
②ふるさと納税をする
③確定申告を行う
となっていますが、お礼品を主目的としている場合、自治体を選ぶよりも先にやっておきたいことがあります。
私が考える手順は以下のとおりです。
1【税金の控除額の目安について調べる】
例えば年収500万円の場合、独身や共働きで61,000円、専業主婦と中学生以下の子供の家庭の場合49,000円が、年間で全額控除される上限額の目安とされています。
この目安は自己負担額の2,000円を除いた全額が所得税(復興特別所得税を含む)及び個人住民税から控除される金額です。
住宅ローン控除、配偶者控除、高校生以上の子供がいる場合等各家庭の事情に応じて目安金額が異なるので、昨年の源泉徴収票やインターネットの簡易算定サイト等を利用して上限金額の目安を調べましょう。
総務省のふるさと納税ポータルサイトに、寄附金控除額の計算ができるエクセルシートがあります。
ちなみに当会計事務所では顧問先様のふるさと納税の限度額の目安をお伝えするようにしております。
2【好きなお礼品を探す前に・「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の申請の有無を確認】
年間でふるさと納税を5回以内にするかどうか?が分かれ目です。
ふるさと納税の御礼品を少額で何度も申込するか、大きめの金額で5回以内に収めるのかを最初に決めておくべきだと思います。
つまり、ふるさと納税で検索すれば便利なサイトは多種あり、お礼品から探せるので好きな物や地域から選択したいところですが、
あなたが確定申告不要の給与所得者等の場合、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内であれば、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の申請ができます。
ふるさと納税を行う際に各ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出することで、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けられる制度です。
この制度を利用する場合は「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を寄附時に自治体から送付してもらうよう申し込み、必要事項を記入して、本人確認の書類等と一緒に自治体へ郵送する必要があります。
5団体を超える自治体にふるさと納税をする場合や、ふるさと納税に関係なく確定申告を行う場合は、確定申告によりふるさと納税についての控除を受けることになります。
もちろん確定申告をしても、ワンストップ特例を利用しても、税控除される金額は変わりません。
ちなみに、
最近は富裕層向けにふるさと納税代行サービスもあるようです。年収2000万円以上の方限定です。
↓
3【好きなお礼品を探す】
ようやく好きなお礼品を探すことになります。
ふるさと納税の御礼品について、まとめられたサイトがありますので、これを利用するのが手っ取り早い方法です。
さとふる
ふるさとチョイス
具体的な寄附方法やお礼の受け取りの手続は、各自治体によって方法が異なる場合があるので注意が必要です。寄附にクレジットカードが利用できる自治体もあります。
生鮮品などはお礼が届く時期が決まっている場合があり、
特に季節物は寄附の時期によっては来年の収穫時に発送される場合もあるので、寄附の時に気にしておきたいところです。
個人的なおすすめは生活必需品ですね。
おコメ、ジュース、ビールなどの保管が可能なものが家計へのお役立ち度は高いですね。
逆に、海産物などは大量に送られてくると保管に困りますね。
カニが大量に届いて、冷凍庫に入りきらず、半分以上をダメにしてしまったことがあります。。
4【最後に】
書けばキリがないふるさと納税ですが、今回は具体的な利用方法に絞って記載してみました。
めんどくさそうだけれども、やった方がお得なことは間違いありません。
ご興味を持っていただき、一助になれば幸いです。
以上です。